H24関東セミナー第1回目

稲田です。

平成24年度、臨床伝統医療研究会関東セミナーの第1回を受講されていかがだったでしょうか?

按摩マッサージ、鍼灸のセミナーで、
「解剖を徹底的にやる」といいながら、いきなり発生学の話しで面食らわれたかもしれません。

学校や、国家試験対策では、
外胚葉・内胚葉由来の組織が少ないため、それだけを覚えておき、それ以外は中胚葉。という教わりかたをしたりします。

マークシートの国家試験対策ならばそれでもいいと思いますが、はっきり言って臨床には何の役にも立ちません。

僕たちは解剖学や生理学をしっかりと臨床に生かさなければなりません。
それでないと患者さんの症状は良くなりません。

第1回目の内容、

・中胚葉由来の組織が何であるのか。
・人体の構造、表皮~真皮~結合組織~筋膜~筋実質~骨。
・筋膜の特徴。
・神経を包む硬膜の特徴。
・生理学的限界と解剖学的限界。
・体性機能障害(バリア)の特徴。
・体の縦の流れを遮る3つの膜。
・脊柱における可動制限の起こりやすい場所。
・体は自分で自然にバランスをとっている。

改めて書きだしてみると、羽山先生、あの短い時間でこれほどの内容を話していたのか? と思いました。

初めての方は、正直大変だったのではないでしょうか。

さて、問題はこれらの内容をどう臨床に生かしていくのか、というところです。

学校では、骨や筋肉の名前を覚え、セミナーなどで臨床テクニックを学んだりします。
 

『この症状にはこのテクニックを使い、
 ●●筋をゆるめ、●●骨や●●関節を・・・。』
 

治療といえば、このような思考になっていることが多いのではないでしょうか。

間違いではありませんが、人体はもっと奥が深いものです。

上記のような思考のもとに行う治療を学ぶだけなら、発生学を学ばねばならない意味がわからないと思います。

体を構成する多くの組織は中胚葉由来のものでした。

その多くのの組織は「全て同じもの」とも考えられるわけです。根っこが同じなわけですから。

骨や筋肉などと個別に覚えてきていたものが、全て同じもの。
 

体は全体で一つのもの。
 

型にゴムを流し込んで作った人形は、全てがゴムでできています。

極端にいえば、人体もこのようなゴム人形と同じともいえるわけです。

発生の時点まで遡って細胞のことを考えると、人体はこのように捉えることができるということを知って下さい。

 

ある部分の筋膜を指や鍼で刺激したとします。

その刺激はある一部分だったとしても、ゴム人形だとその刺激は全体に波及していくのがイメージしやすくないでしょうか?

 

「なぜその症状が起きているのか」を、体が全体で一つのものという視点から、全体を見渡し原因を考え治療する。

解剖学・生理学を基に、自分で治療法を考えて行うことができるようになる。

 

当セミナーは、個別の症状に対する小手先のテクニックはやりません。

本当に基本的な技術を繰り返し練習するだけです。

 

体のことをわかっていない状態でのテクニックは意味がありません。

体のことがわかってしまえば自ずと治療法はわかるものであり、そこで基本的な技術が身に付いていれば治すことができるんです。

第1回目は総論的な内容であり、初めての方は非常にとらえどころのないお話しに感じたかもしれません。

回を重ねるにしたがってもっと各論的な内容もしていきます。

しかし根本にはこのような考え方があるということを知っておいてもらわないといけません。

このあたりが腑に落ちてくると、どんな症状にも自然と対応できるようになってきます。
 

一回の講義で全てを理解するのは無理だと思います。

「わけがわからなかった・・・」と落ち込まなくても大丈夫です。
 

じっくりと時間をかけて勉強していきましょう。

またわからないことはどんどん質問して下さいね。

 

質問はこのブログの

質問はこちら のページのコメントに書き込んでもらうか、

kanto@sgtmca.com へメールしていただければ結構です。

Filed under: 04 関東セミナー — gosgtmca 18:24  Comments (0)

今期関東セミナーの概要

おおよそ次のように進める予定です。ただし、皆さんの進捗度によって若干変更することもあります。

時間・午前10時30分から午後12時、午後1時から午後4時30分。午後は途中15分ほど休憩を取ります。

なお、休憩中は講師への質問はご遠慮ください。必ず、講義、実技の時間中に質問してください。

 

1月

講義 外胚葉、中胚葉、内胚葉と治療、手太陰経筋

触診 触診の基本概念

按摩初級 按摩の補瀉、摩擦の練習、中級 背部筋の調整

鍼灸中級 押し手と刺し手、鍼の補瀉、中級 背部兪穴の刺鍼

 

2月

講義 背部筋と脊柱の触診、手陽明経筋

触診 同上

按摩初級 摩擦の練習(特に背部、上肢、下肢) 中級 背部脊柱の調整

鍼灸初級 切皮の練習 中級 募穴の刺鍼

 

3月

講義 背部筋と腹部筋の関連、足陽明経筋

触診 同上

按摩初級 強擦の練習(オイルを使いますので用意) 中級 胸郭の調整

鍼灸初級 切皮の練習 中級 胸郭の調整

 

4月

講義 斜角筋、肩甲挙筋、足太陰経筋

触診 同上

按摩初級 基本姿勢の練習 中級 斜角筋、肩甲挙筋の調整

鍼灸初級 切皮の練習 中級 斜角筋、肩甲挙筋の調整

 

5月

講義 肩背部・頚部諸筋、手厥陰経筋

触診 同上

按摩初級 肩背部、頚部の圧迫、肩上部の把握、背部の摩擦 中級 頚部の運動法

鍼灸初級 切皮の練習 中級 頚部の刺鍼その他

 

6月

講義 横隔膜、手太陽経筋

触診 同上

按摩初級 背部、腰部の圧迫、背部の摩擦 中級 横隔膜

鍼灸初級 直刺の練習 中級 横隔膜

 

7月

講義 腹部諸筋、足太陽経筋

触診 同上

按摩初級 腹部(按摩の手法) 中級 腹部内臓(マッサージの手法)

鍼灸初級 直刺の練習 中級 腹部の刺鍼

 

8月

講義 殿部の構造、足少陰経筋

触診 同上

按摩初級 殿部、大腿 中級 殿部

鍼灸初級 斜刺、横指の練習 中級 殿部の刺鍼

 

9月

講義 呼吸、手厥陰経筋

触診 同上

按摩初級 下肢 中級 股関節、膝関節の調整

鍼灸初級 脈差診の練習 中級 原穴、絡穴での調整

 

10月

講義 身体のバランス、手少陽経筋

触診 傾聴

按摩初級 上肢 中級 足関節、足の調整

鍼灸初級 脈差診の練習 中級 呼吸器の調整

 

11月

講義 硬膜の概念、足少陽経筋

触診 硬膜の触診

按摩初級 肩背部の揉捏 中級 肩関節の調整

鍼灸初級 脈差診と原穴 中級 消化器の調整

 

12月

講義 身体各組織の関連性、足厥陰経筋

触診 同上

按摩初級 全身の調整 中級 肘関節、手関節の調整

鍼灸初級 脈状診の基本 中級 運動器の調整

Filed under: 04 関東セミナー — gosgtmca 00:37  Comments (0)

来年度(平成24年度)の関東セミナーは、解剖学!

来年度(平成24年度)の関東セミナーは、解剖学を重視して行います。

鍼灸やあん摩マッサージ指圧学校で学ぶ解剖学は、得てして知識重視で暗記物という傾向になりがちです。しかし、本当の解剖学は違います。

本当の解剖学とは、人間を治療する上で大変重要です。骨がどのように存在し、その骨のどこに筋が付着し、どこから出た神経がその筋を動かすのかというような基本はもちろん、そのような解剖学的要素からの動きが人体機能にどのような影響をおよぼすのか、病的状態、機能障害を起こしたときに解剖学的要素どのように作用するのか、それを知ることが治療にとって重要です。

来期の関東セミナーでは、そのような「生きた」解剖学の知識をお届けしつつ、それを実践して理解できる触診力を磨くことを重視します。東洋医学的な分野では、学校であまり学習しない経筋について、掘り下げて解説を試みたいと思います。

羽山弘一

Filed under: 04 関東セミナー — gosgtmca 02:01  Comments (0)

12月の関東セミナー(今季最終)

中国医学が盛んになってきた影響で、病証名も中国語が盛んになって来ました。でも中国語の病証名は、あくまでも中国語です。例えば「風寒邪犯肺証」なんて、日本語としてこなれていると思いますか?

そこで、最後の関東セミナーの鍼灸課程では、日本語としての病証名がどうなるかを、一指診として示して見ました。もちろんこれが完成形とは思っていません。あくまでも一例です。皆様のご意見をお待ちしています。

  • 肝気鬱結証 肝気がイライラや怒りを貯めこむなどの理由で鬱滞したもの。長期にわたって気分が塞いだり、強い精神的な刺激を受けたときに起こる。あるいは、久病により肝気が鬱滞して起こることもある。従ってこの病証は、病症から鬱滞する場合と欝滞から病症が発生する場合があるといえる。主症は、抑欝、易怒、イライラ、胸悶、不眠、胸脇支滿、梅核気などである。またこの証は化火しやすく、そのようになると、顔面紅潮、眼が赤くなる、口が渇く、苦いなどの病症を表す。脈弦。特に左関上が強いことも多い。化火すると舌は紅となる・
  • 肝実肺実証 肝気鬱結証により肝の気機が失調し、肺に及ぶと肺実の病症を起こす。脈弦、左関上と右寸口が実。肝気鬱結証の病症に加え、咳嗽、喀血などを起こす。進行すると肺が疲弊し、肝実肺虚証となる。
  • 肝実肺虚証 肝気鬱結により肝の気機が失調し、それが肺に及び肺が疲弊すると肺虚の病症を起こす。あるいは、もともと肺虚のあった人に肝実が併発して起こる。肝気鬱結症の病症に加え、力のない咳嗽、気道閉塞感などを起こす。脈弦、左寸口は力がなくなる。
  • 肝実脾実証 肝気鬱結症により肝の気機が失調し、脾に及ぶと脾実の病症を示す。肝気鬱結証の病症に加え、腹部膨満、食欲不振または亢進(熱が脾に行くと食欲が亢進する)、消化不良、便秘または下痢、呑酸などを起こす。脈弦、左右の関上が特に実。進行すると脾が疲弊し、肝実脾虚証となる。
  • 肝実脾虚証 肝気鬱結症により肝の気機が失調し、それが脾に及び脾が疲弊すると脾虚の病症を起こす。あるいは、もともと脾虚のあった人に肝実が併発して起こる。肝気鬱結の病症に加え、食欲不振、便秘または下痢、呑酸、易疲労などを起こす。脈弦、右関上虚。
  • 肝火上炎証 肝気鬱結が進行し化火した結果、その火が上逆し起こるものである。頭痛、顔面紅潮、のぼせ、イライラ、易怒、目の充血、口が乾き苦い、心煩、不眠、多夢、鼻出血、月経量が増加などが見られる。脈は、弦数となる。
  • 肝陽上亢証 肝虚はすなわち肝陰虚である。肝には陽気が少ないため、肝陽虚はあまり見られない。仮に肝陽虚があればそこには肝陰虚が大きく存在する。肝陰虚の結果、陰に囚われていた陽気が束縛から解放され上亢するものを肝陽上亢という。のぼせ、イライラ、不眠、多夢、顔面紅潮などの病症が現れるが、根底は虚証なので、肝火上炎と区別しなければならない。
  • 肝風内動証 体内の陽気が変動を起こし風邪の侵襲と同じような状態を起こすものを内風証というが、特に肝陽(陽気)や肝火が起こした内風を肝風といい、そのために風邪の侵襲と同じような病症を示すものを肝風内動証という。上述の肝陽上亢も一種の肝風内動証であるし(ただし素因は肝陰虚である)。その他、外邪が営血に入りその邪熱が肝陰に作用し、更に熱を帯びた状態(熱極生風証)、あるいは熱病の終末などに陰液が消耗し、筋に潤いがなくなって起こる陰虚風動証などがある。熱極生風症は、高熱、うわ言、不安感、痙攣などを起こす。陰虚風動証は、口が渇く、筋痙攣あるいは麻痺などを起こす。
  • 肝胆経阻滞証 寒邪や瘀血などにより、肝胆経が阻滞を起こしたものを言う。肩こり、腰痛(阻滞を起こしているところに痛みや重さが起こる)、頭痛、動悸、息切れなど。寒邪が素因の場合、寒がる、四肢の冷えなどが加わる。瘀血の場合、便秘、胃腸の切痛、頭重などが加わる。
  • 肝血虚証 肝の血が不足した状態を言う。滋養作用が低下する。原因は、生血不足、出血過多、久病による肝血不足などである。目の乾燥やかすみ、夜盲、顏色がくすんで白くなる、不眠、多夢、筋痙攣、月経量の減少などが起こる。脈は細・渋となり、左関上が虚する。
  • 肝陰虚証 肝の陰液が不足した状態で、肝血虚に虚熱が加わった状態である。目の乾燥感や異物感、筋痙攣、肩凝り、めまい、耳鳴り、五心煩熱、盗汗、口や喉の渇き、脈細、左関上虚などが起こる。下記の肝虚の諸病証は、この肝陰虚の病症に、それぞれの病症が加わる。肝陰虚証の根底には、腎虚証がある。したがって、肝虚腎虚証といってもいいだろう。
  • 肝虚胆実証 肝陰虚による虚熱が胆にいった状態を言う。肩こり、側頭部の頭痛、いらいら、不眠、めまい、胸脇支満などを起こす。特徴的なのは側頭部痛である。根底には肝陰虚があるので、そこが肝胆経阻滞証とも違うところである。脈波左関上が浮き、按ずると虚している。
  • 肝虚心実証 肝陰虚の熱が上昇し、心に入ったものを言う。心はもともと熱性であるので、肝虚症の病証に加え、胸痛、胸悶、動悸などの病証が出る。その他、のぼせ、頭痛、鼻閉なども起きやすい。
  • 肝虚脾胃実証 肝陰虚の熱が脾胃を犯したものを言う。肝陰虚の病証の他に、便秘、胸焼けなど脾胃の熱症が出る。熱が脾胃にあるので食欲はある時が多い。
  • しかし、進行すると食欲がなくなる。食欲不振になったいるときは肝陰虚ではなく、肝の気血共に失われている状態であり、そのため、脾胃に熱が送られず、食欲が減退する。しかし、脾胃自体が虚証になったわけではないので食べようと思えば食べることはできる。
  • 肝虚肺実証 肝陰虚の熱が上亢し、肺を乾燥させる結果、肺に熱がこもるものをいう。肝陰虚の病証の他に、咳嗽(乾咳)、気道閉塞感、胸悶などが現れる。
  • 肝陽虚証 肝虚は多くは陰虚であるが、陽虚が生じる場合もある。肝の陽虚は気が不足するだけではなく、血も不足している。したがって、冷え、下痢、虚寒の病証の他に、不眠、不妊、月経不順、肩こり、腰痛、筋痙攣など陰虚と陽虚の入り混じった病証を示す。脈は左関上が虚し、全体に渋、弱などを示す。胆虚も併発すれば頭痛、嘔気、不眠、決断力の欠如などが出る。
  • 肝胆湿熱証 湿邪が肝胆に侵入したものである。外邪としても湿または脾虚から起こる水湿の熱化により生じる。胸脇支満、黄疸、身熱、食欲不振、嘔気、下痢または便秘(湿が強いと下痢をし、湿が化熱し湿熱となると便秘する)、小便赤となり、脈は弦、滑、数となる。
  • 心気虚証 心の気が不足して機能が減弱した状態を言う。実際には、心の機能が減退する以前に全身の機能が減退する。心悸、息切れ、怔忡、精神疲労、易疲労、倦怠感、自汗、運動すると増悪する。脈細弱、虚大また破結代、左寸口虚。
  • 心陽虚証 心気虚が進行して陽気が減少し、虚寒が加わったもの。心悸、怔忡、胸悶、息切れ、易疲労、無力感、自汗、寒がる、四肢の冷え、脈微細または結代、左寸口虚、あるいは右尺中と左寸口虚。
  • 心血虚証 心に行く血が不足し濡養を受けられなくなり起こるもの。失血過多、思慮過度による陰血の消耗、血の生成不足、熱病による陰血損傷、心気損傷による心血への波及などが原因である。心悸、怔忡、胸悶、不眠、めまい、健忘、顏色がくすんで白い、口唇淡白、脈細、左寸口虚。
  • 心陰虚証 心血虚が進行して陰液が減少し、虚熱が加わったもの。心悸、怔忡、胸悶、不眠、五心煩熱、潮熱、盗汗、頬部の紅潮、脈細数、左寸口虚。
  • 心気血両虚証 心気虚と心血虚が同時に起こったもの。気虚証が先に起こり血虚証を誘発したもの、血虚証が先に起こり、気虚証を誘発したものがある。心悸、怔忡、不眠、多夢、顏色がくすむ、胸悶、易疲労、精神疲労、倦怠感、無力感、自汗、盗汗、めまい、健忘などを起こす。脈細・無力、右尺中、左寸口虚。
  • 心虚脾虚証 心の働きが失調し、脾に及んでその働きが減弱したもの。心虚(心気虚の場合と心血虚の場合がある)の病症の他に、上腹部膨満、食欲不振、下痢または便秘などを起こす。左寸口、右関上虚。
  • 心虚肝虚証 心の働きが失調し、肝に及んでその働きが減弱したもの。心虚の病症の他に、イライラ、易怒、不眠、多夢などを起こす。左寸口、関上虚。
  • 心虚肺虚証 心の働きが失調し、肺に及んでその働きが減弱したもの。心虚の病症の他に、気道閉塞感、喘息、咳嗽などを起こす。左右寸口虚。
  • 心虚腎虚証 心の働きが失調し、腎に及んでその働きが減弱したもの。心虚の病症の他に、易疲労、腰部や下肢のだるさ、不妊症などを起こす。左寸口、尺中虚。
  • 脾気虚証 脾の気機が減弱した状態。食欲不振、消化不良、腹部膨満、腹鳴、下痢、疲労、顏色がくすんだ黄色になる、脈濡、右関上虚。
  • 脾陽虚証 脾気虚が進行し、虚寒が加わったもの。脾気虚の病症に加え、寒がる、四肢の冷え、水様便、浮腫、尿少などが生じる。脈濡細または沈弱、右関上虚。
  • 脾血虚証 脾の血分が減少した状態。食欲不振、食後の腹部膨満、消痩、易疲労、顏色がくすんだ黄色を帯びた白などが現れる。脈細濡、右関上虚。
  • 脾陰虚証 脾血虚が進行し、虚熱が加わったもの。脾血虚の病症に加えて、口唇の乾燥、便秘または下痢(脾の働きが減弱しすぎて水を吸収できなくなった時)、口渇、水分をとっても口渇が改善しないなどが現れる。脈細数、右関上虚。
  • 脾不統血症 脾の統血作用が減弱したもの。内出血しやすい、反復する血便、顏色がくすんだ白または黄、易疲労、精神疲労、無力感、めまい、心悸、息切れなどが出る。脈細弱。
  • 脾気血両虚証 脾の気血共に不足した状態。気虚証が先に起こり血虚証を誘発したもの、血虚証が先に起こり気虚証を誘発したものがある。脾の気虚、血虚両方の病症が出る。脈濡無力でやや数、右関上虚。
  • 脾虚肝虚症 脾虚の結果、肝に気血が行かなくなり肝虚になったものを言う。脾気虚あるいは脾血虚の病症の他に、不眠、イライラ、易怒、肩凝り、筋痙攣などが起こる。脈弦弱、左右関上虚。
  • 脾虚心虚証 脾虚の結果、心に気血が行かなくなって心虚となったものを言う。脾気虚あるいは脾血虚の病症の他に、心悸、息切れ、胸悶、怔忡、めまい、健忘などが起こる。脈濡、右関上、左寸口虚。
  • 脾虚肺虚証 脾虚の結果、肺に気血が行かなくなって肺虚となったものをいう。脾気虚または脾血虚の病症の他に、息切れ、咳嗽、易疲労、胸悶、痰などが起こる。脈濡、右寸口関上虚。
  • 脾虚腎虚証 脾虚の結果、腎に気血が行かなくなって腎虚となったものをいう。脾気虚または脾血虚の病症の他に、易疲労、精神疲労、腰や下肢のだるさなどが出る。脈濡弱、右関上、左尺中虚。
  • 食積証 食べ過ぎまたは消化の悪いものを食べるなどを反復する結果、脾胃の運化作用が低下して起こる。腹部の鈍い痛み、泥状便、食欲亢進または不振、顏色がくすんだ黄色、消痩、心煩、不眠、便秘、微熱などが出る。根底に脾虚があることが多い。脈滑、右関上浮実。
  • 胃熱証 外邪が化熱して裏部に入る、あるいは油っこいものや辛いものの食べ過ぎにより、あるいは、精神的な緊張などにより胃に熱がこもったものをいう。腹部膨満、胃の灼熱感、つかえ感、胃痛、呑酸、口苦、口渇、便秘または泥状便、嘔吐、食べると嘔吐するなどが起こる。脈滑数、右関上浮実。
  • 肺気虚証 肺の機能が減退した状態を言う。力のない咳嗽、易疲労、自汗、精神疲労、カゼにかかりやすい、脈弱無力、右寸口虚。
  • 肺陽虚証 肺気虚症が進行し、虚寒が加わった状態。肺気虚の病症に加え、寒がる、四肢の冷えなどが加わる。
  • 肺血虚証 肺への血が不足し、機能が減退した状態を言う。血虚自体は余り見られず、虚熱が加わった肺陰虚証の形で見ることが多い。乾いた咳嗽、易疲労、自汗、精神疲労、顏色がくすんだ白、カゼにかかりやすい、脈細、右寸口虚。
  • 肺陰虚証 肺の陰液が不足し、機能が減退した状態を言う。乾いた咳嗽、痰は粘っこく喀出しにくい、痰に血がまじることがある、頬部の紅潮、盗汗、午後の潮熱、五心煩熱、口や喉の渇き、かすれ声などが出る。脈細数、右寸口虚。
  • 風寒肺実証 風寒邪が肺に侵襲した状態を言う。咳嗽、水様の鼻漏、鼻閉、透明の痰、悪寒、発熱、喉のかゆみ、無汗、頭痛などが出る。脈浮緊。
  • 風熱肺実証 風熱邪あるいは風寒邪が化熱して肺に侵襲した状態を言う。咳嗽、粘っこく黄色い痰、黄色の鼻汁、発熱、悪風、無汗または少汗、頭痛、口渇、 咽喉部の発赤と疼痛。脈浮緊数。
  • 肺燥証 燥邪が肺に侵襲した状態を言う。乾咳、少ない痰、口や喉の乾燥、胸悶などが出る。脈浮緊。
  • 肺虚肝虚証 肺陰虚のため肝虚が起こった状態を言う。肺陰虚の病症の他に、不眠、多夢、イライラ、易怒などが出る。脈右寸口、左関上虚。
  • 肺虚心虚証 肺陰虚のために心虚が起こった状態。肺陰虚の病症の他に、心悸、胸悶、精神疲労などが起こる。左右寸口虚。
  • 肺虚脾虚証 肺虚(陰虚とは限らない)のために脾虚が起こった状態。肺虚の病症の他に、食欲不振、消化不良、腹部膨満などが起こる。右寸口、関上虚。
  • 肺虚腎虚証 肺陰虚のために腎虚が起こった状態。肺陰虚の病症の他に、易疲労、精神疲労、腰や足のだるさ、無力感などが出る。右寸口、左右尺中虚。
  • 腎精不足証 腎精が不足した状態。無気力、精神疲労、易疲労、腰や足がだるい、不妊などが現れる。脈沈細無力、左右尺中虚。
  • 腎陽虚証 命門火衰症とも言う。高齢、久病などにより腎陽が減弱した状態を言う。顏色がくすんだ白、腰や下肢のだるさ、四肢の冷え、寒がる、易疲労、精神疲労、無力感、不妊、インポテンツ、下痢、五更泄瀉などが現れる。脈沈細無力、左右尺中虚。
  • 腎陰虚証 久病、熱病、先天の精の不足、不摂生などにより、腎の陰液が不足した状態を言う。めまい、耳鳴り、五心煩熱、腰や下肢のだるさ、不眠、多夢、不妊、月経異常、流産、早産、遺精などが現れる。脈細数、左尺中虚。
  • 腎陰陽両虚証 腎の陰陽が両方とも虚した状態。腎陽虚と陰虚の両方の病症が現れる。脈細無力、左尺中虚または左右尺中虚。
  • 腎虚肝虚証 腎虚により肝虚が起こった状態。腎虚の病症の他に、易怒、イライラ、不眠、多夢などが現れる。左関上尺中虚。
  • 腎虚心虚証 腎虚により心虚が起こった状態。腎虚の病症の他に、心悸、胸悶などが現れる。左寸口、尺中虚。
  • 腎虚脾虚証 腎虚により脾虚が起こった状態。腎虚の病症の他に、食欲不振、腹部膨満、呑酸、下痢または便秘などが現れる。右関上、左尺中虚。
  • 腎虚肺虚証 腎虚により肺虚が起こった状態。腎虚の病症の他に、咳嗽、透明の痰、鼻炎の病症などが現れる。右寸口、左尺中虚。
  • 腎不納気証 腎気虚により、吸気が阻害された状態。腎虚の病症の他に喘息特に吸気がしにくい、気道閉塞感、息切れ、動くと喘息が憎悪する、四肢の冷え、自汗などが現れる。脈細数、右寸口、左尺中虚(または左右尺中虚)。
羽山弘一
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関西セミナー鍼灸課程第2回(8月)まとめ

8月7日(日)
今回より待望の講師羽山先生執筆によるテキストを使用しました。
P.38 衛気と営気について
   その衛気と営気の関係から風寒邪の侵入・治療について
P.37 邪について
の講義を受けました。

引き続き触診の練習
前回の皮膚表面からの触診を練習してから
脊椎の触診
各椎体が
左右に回旋があるか
前後に傾斜があるか
全体を見て側屈しているか
その流れで腸骨仙骨の触診
そして各骨に変位があれば周りの筋肉(軟部組織)にどのような緊張があらわれるか
とうの触診練習をし、
異常がある場所においては鍼でどのように改善していくか
触診しながら治療法も実践して行きました。

午後は
姿勢について実際に参加者の姿勢からいろんな症状を診て行く実践練習
例として左偏頭痛がある場合どう診て行くのかを
臨床的に考え、治療法を参加者も考えながら学びました。

午後後半は鍼の実技練習
初級の方は引き続き鍼管なしでの直刺の練習

中級は前回に引き続き脈診から病証をひきだし
原絡穴に刺鍼して脈および顔色や症状の変化をみていきました。

今回から全333ページにわたるテキストが完成し使用しての講義で
より一層やる気が出たセミナーでした。

野口智代

Filed under: 01 連絡事項 — gosgtmca 22:53  Comments (0)